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2014/09/22 「崩れる本棚」感想
今日も今日とて感想を書いておきます。ただ、突発的にツイッターに書いてしまったので、なんか改めて書くほどなのか…と思いつつ、自分が思い返すときに便利かもしれないので。
「崩れる本棚vol.1」A5判/500円
たまたま、文フリ大阪でお隣だった「メルキド出版」さんにて委託販売されていた本。
自分の傍にあったので、なんとなく手を伸ばして、メルキドさんの書かれたものだと思ったら「そうじゃないですよ」と言われつつ、なんとなく引っ込みがつかなくて(笑)、購入させていただきました。
短編集で、三話収録されています。さらっとした読み味で、文章も読みにくいとかわかりにくいとかいうことはまずありません。
話は、男女のお話が二つと、青年と幼女のお話が一つ。どれも、何が書きたいのかが明確でわかりやすく、好感が持てました。
特に、一つ目の「元カレ」が個人的にとても好みでした。作者の方は、何度か文芸賞の選考も通過されているそうで、確かに筆致力があります。
ただただ、彼女と別れて「元カレ」に成り下がった男の、彼女への独白なんですけど、良い具合に説明臭くなく、でも、ちゃんと背景もわかるし、元カレから見た彼女がどんな風なのかがよくわかる。何よりも、独白形式にしたことで、なんで彼女が元カレと別れたかっていうのが、私はすっごく面白かったです。
理由とかは、明記されるわけでないんだけど、元カレの性格が本当にムカつくし、鬱陶しい。でも、元カレはそれがどうしてダメだったのかがわからない。
その食い違いというか、勘違いが、リアル。こういう男、五万といるんだろうな、という感じでした。よかった。
他の二つもちゃんとまとまっていて、三つ目の「バッカ」なんかも、愛らしくてバカップルって感じのお話なんですが(タイトルの由来は違うと思うけど)、「元カレ」に比べると読ませる筆力が足りないのかな、と思いました(偉そうにな)。
二つ目の「チェルビアット」は、色々失った男性が、小さな女の子と暮らし始めるお話なんだけど、ちょっと先が読めてしまった。あと、もう少し煮詰めてほしかったかな。
作者のみなさんは、ツイッターの文芸部なるものに所属しているらしく、三話読み終わった感想はみなさんレベル高いんだなあ、としみじみ。
装丁がとってもシンプルで、中身の気高さとよく合っている気はするんですが、ちょっと手に取ってもらいづらいかもしれませんね。
まあ、私が言えることじゃないけど。
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