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2015/04/12  「ファミリーパズル」感想
今日も今日とて感想です。
これ書いたら楽しみにしている「チョコレートドーナツ」見よう。あと、かむろば村もそのうち映画館へ見に行きたいですねえ。

◆「ファミリーパズル」坂越さぎり著/A5変形/176頁/800円
孝太郎の家から母がいなくなった。父・慎太郎は忙しい中でも自分を気遣ってくれるが、寂しさは消えない。無理を押し隠して日常生活を送る孝太郎にある小さな事件が起こる――。表題作ほか両親の出会いを描いた「ラヴァーズリドル」と短編2編を収録。描き下ろしでは成長した孝太郎が登場。――無料配布冊子より。
内容はまあ、ひっぱってきたあらすじ通りなんですけれど(いつものことですね)、児童文学の領域(?)だと思います。読みやすく、言葉もまっすぐ、穿った人らは出てこない。安定した筆致は読んでいて不安になりませんが、ちょっと軽妙すぎる気がしました。
でも、そういえば、自分が小説に親しみ始めた頃に読んでいた本(魚住直子「非・バランス」とか風野潮「ビート・キッズ」とか)ってこういう感じだった気がするな、とも思いまして。
しかし主人公の孝太郎くんがめちゃくちゃ大人。親が離婚しちゃって、めちゃ多忙だけど子煩悩な父親に心配かけまいと色々我慢して色々気遣っていて、いやこれちょっと小学生っていう設定は無理があるのでは…と思いつつ。同級生で同じ様な痛みを持っている森ちゃんという女の子もえげつないほど大人。大人すぎる…。でも、まあ、小学生って周りが思うほど子どもでもないし、本人も周りが思うほど子どもじゃないって思ってるもんでしょう。そういう意味では、背伸びしすぎた感じもあったけど、作者さんの書きたいことだったのかもしれません。
児童文学系なので、言っていることは真っ向勝負というか、どこまでもまっすぐで「正しい」っていうか、うーん、これはちょっと語弊がありますが、「正しさなんか一つじゃない」っていうことが「正しい」というか「それでいい」って教えてくれる、その道筋がまっすぐ。っていうのかな。だから、本当に、中学生が読むと面白く読めるのかもしれない。私はクソッタレな大人になってしまったので、孝太郎くんの両親のなれ初めにあたる「ラヴァーズ・リドル」の「優しさは人を傷つけることもある」っていうところは好きだったけれど、なんというかええいまどろっこしいな!と思ってしまいました(笑)。
ネタバレになっちゃうのであんまり言えないけど、しかし、孝太郎くん大人なのに両親二人が結構わがままっていうか離婚にいたるところとか、なんか、子どもっぽくてもう少し、親っていう自覚を持った方が…ってなりました。その後の部分でも。
バランスはとってもよくて、読みやすいのだけど大人が読むとちょっとむずがゆいところがあるかな、というか、クソな私はちょっとむずがゆかったかな。
あと、装丁が好きです。A5変形と書いてありますが、正方形です。かわいいです。

***

なんか書きたいな~

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