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どこをみているの
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2011/09/12  メリーラブユーアイナウエバー
名前なんだっけとかいっちゃって
笑えないジョーダンってとこがまた笑える
ジョージも笑って内臓飛び出たんだって
ところで俺たち何の話してたっけな?

雑誌の4コマ斜め読み
ニューズウィーク買ってきてよねえ
金髪ブロンド赤毛にブラック
角のホットドッグは旨いからマスタード多めでお願いね
ところで俺たちの仲間って誰だっけ?

ワン、トゥー、スリー
メリーはどこにいったんだい
似合わない花柄のタイツだけ覚えてる
これを食ったらお開きだ
マンハッタンにも夜はくる

ワン、トゥー、スリー
コークを一本コカイン一吸い
花柄はあいつの足元だけじゃない

ところで名前なんだっけ?
俺たち何の話してたっけな?

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2011/09/09  ホームコールセンターマーク
ホームに電車が参りますご注意ください
耳を傾けたらそれまで
あなた、きっと後悔しますよ
両の目を光らせた芋虫が
私たちを食べにやってくる。

ホームに電車が参りますご注意ください
あなた、何を考えてるんですか
目の前に座る誰かは
どこかで見たことのある誰かに似ている

ホームに電車が参りますご注意ください
あなた、私がわかりますか
静かに動き出す金属の匣

行き先は誰も知らない

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2011/09/05  Birth
やさしいことばははけない
そんなものしらない
そんなものいらない
うまれてからこのりょうてには、なかったから

しんじつをつげるひとみと
しんじつをしるみみがあれば
わたしはいきてゆけるのだと
ことばなんかいらないんだと

おもえるまではしねない

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2011/08/27  誕生日
日付が変わって、思わず落胆。別にこんなことたいしたことじゃないってわかってるのに。
携帯電話があってメールなんかするようになったから、いつの間にか誕生日にはメールするなんて習慣ができたんだろ。
その前までは、そんなことなかったけど、なのに、もう前のことなんか思い出せない。
誰に言ってもらうかなんかたいして重要じゃなかったのに、彼に出会ってから、出会う前のことを思い出せない。
俺はきっともう、彼に出会う前のことも連絡をとりあう前のことも、きっと思い出せない。

27日に日付がかわったことを見届けて、部屋の電気をけした。クーラーの稼働音だけが響いている。
昼間の熱を吸ってまだなま暖かいベッドに転がると、なんとなく人肌に触れているような気がした。
もう一度携帯のディスプレイを睨む。諦めかけたその時だった。

たった一人の名前が携帯に映し出される。

「っしもし」
「お前、出るの早ぇえな」
「いやま、携帯触ってたから…」
「ふぅん……ガキはもう寝てるかと思ってたぜ」
「うっせー。なんだよ遅くに。もう寝るぞ」
「やっぱり寝んじゃねーかばかかお前」

久しぶりにきいた声に、跳ね上がる鼓動をできるだけ抑えて、震えそうな声も悟られないようにして、彼の言葉を待つ。

「……窓から、顔出してみろよ」
「え」
「いいから」

***

神尾誕生日なので書きたかったのだけど力尽きる

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2011/08/25  VOICE
ねえ聞いてる?

あたしの声はただ空中にふらふら浮いてそのうちどこかに逃げてしまいそうだ。
どうせそんなもんだろうとわかってはいたけど、気のない背中を見つめるのにはもう疲れた。

ねえ、聞いてるの?

もう一度いっても、返事はない。
寝息は聞こえない。フリをしてる。起きててって、いったのに。
隣の布団に寝転ぶ静は背中をむけたまま、全く動かない。
豆電球だけの明るさの中、ずっと起きていたあたしにもさすがに色は識別できない、けど、
彼の明るすぎる金髪はよくわかる。生え際が黒くなってることも。
いつもワックスでたたせてる髪の毛はぺったりと頭の形にあっていてなんとなく笑えた。
でも、そんなの本人に笑って話せない。もういつから、あたしは彼にわらいかけてない。
彼も、あたしと話すときはこっちを見なくなった。笑っても怒っても、見ないのだ。
意志疎通ができているフリ、が、あたしたちはうまくなった。
好きで付き合って、わからないことさえ楽しくて、それを貪っていたらいつのまにか、なくなっていた。
楽しさに上限がないなんていうけれど、あたしたちには、のびしろがなくて、
のばすきもなくて、ただわからないことに甘えてわかろうとなんかしなかった。
見えていたと思っていれば見えていたような気になるけど、結局見えないことに気付くと見えなくなる。
当たり前のことに、当たり前に気付いただけなの。

全部、うそ、だよ。

聞いてないなら、と思って、でも怖くて少し、いやだいぶ声を落として言った。
相変わらず静は動かない。起きてても、もういいか、って気持ちにもなる。だってもう、どうでもいい。
たまに静が見せる必死な顔につられて、好きとか嫌いじゃないとか言ってみて、でも結局嘘になる。
そういったあたしをあたしは嫌いになるし、それに気付かない静を嫌いになるし、いつか静にバレて静は自分を嫌いになるし、その嘘をついたあたしを嫌いになる。
好きになることしかしなかったあたしたちにはあと、嫌いになるしか手段がない。
一緒にいなくてもいい理由も、一緒にいる理由も、それしかない。だから、もう、どうだっていいの。

悔しくない?あたしちょっと悔しい、けどさ。
どうしていいかわかんないよね。
もう言い訳も、できないもんね。

静は起きない。
起きててもふりかえらない。だからあたしたちはおわってる。
でも、自分たちから終わろうてしない。
自分の声だけは届いてるって思いたいから。相手は自分の声を受け取って動いてるって思ってる、だから。

ねえ、聞いてる、わけないね。

あたしの声はばかみたいに震えていた。天井にある豆電球がぶわっとぼやけてつぶれた黄身みたいだった。

聞いてるわけ、ないね。

あたしは静に背を向ける。と、それに続いて静が寝返りする音がした。呼吸をわずかにとめる。

鳴子、あのさ。
俺たち卑怯でばかだね。なにも、うまくいかないってわかってる。
でも、なんでこんなに。

静の声もばかみたいに震えてる。あたしは返事をしようか迷いながらじっと彼の息遣いを聞いていた。
どこを好きでどこが嫌いか、冷静に考えようとしながら。

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