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2015/07/27 ひとりの夏
眠すぎて仕事を放ってきました。パソコンやっててもよく寝ちゃうんだけどそういうときってどうしたらいいのだろう。
昨日、noteに小説を公開しました。「ひとなつ」という作品です。
https://note.mu/losmrn/n/ne6e4661121d4
かなり前にも、サイトで公開していたことはあったのですが、しばらく封印しており、ふとしたきっかけで公開しようと踏み切りました。
もともとこの小説は、私が大学生のときに書いたもので、大学生が主催していた文芸賞に応募して大賞をいただいたときのものです。今更何をと言われるかもしれないが、なんとなく身バレするのが怖くて中々公開できなかった。
ただ、先日の日記でも書いたように、文学フリマで知り合いになった方とふと大学時代の話をしていたときに、この「ひとなつ」のことを思い出して読みかえしたらなんともいえぬ気持ちになり、成仏(?)させたいなあと思って、noteで公開する流れになりました。
いつも、自分の書いたものに対しては、創作をしている身としてはかなり思い入れの薄い方だと自覚はしているのだけど、この「ひとなつ」という作品は少しだけ思い入れがありまして。
もちろん、賞をいただいたこともそうなんだけど、主人公の男の子が我ながらにとても好きなんですよね。あとは、田舎という舞台がとても好きで、そういう趣味嗜好をぎゅうぎゅうに詰めてしまった。
人が虐げられる、ということにとても魅力というか艶っぽさというか色っぽさを感じていて、虐げられた人がそこでもがいてもどうにもならない、ということがたまらなく好きで。よく、どうにもならない環境に置かれても屈しない、みたいな姿が美しく描かれるのだけど、私そういうのあんまり好きじゃないんですよね。なんでだろう。どん底まで落ちて落ちて落ちて落ちて、落ちぬいて、そこに光を見つけてほしい。すげえ無理なこと言ってる。でも、見つけてほしい。そこにあるものこそきっと本当の光だから。希望でも絶望でもいい。自分が自分でいるための、自分の、光を。あとはただたんにボコり愛みたいなもんですわ(たぶんこれが一番)。
主人公の女の子も、結局男の子のためには何もしてあげないんですよね。口ばっかりで。動こうとすらしなかった、と、私は自分の作品に対して解釈を与えるけれど、それもまた、当時の私が見ていた人の姿なのかもしれないし、動ける人なんていないんだろうと思う。人を大切にすることは、面倒で重い。
あとは田舎への憧れというか、自分が大学生になって初めてそういう場所で暮らしたからかもしれません。大学の周りは確かに少しは栄えていたしごちゃごちゃもしていたんだけど、すぐそばには田んぼがあって山があって用水路があってカエルがひっきりなしに鳴いていた。その時初めてヒグラシの本物の声を聞きました。豊かなのに、美しいのに、冷たい。田舎という場所に目覚めたのかもしれない。そういう場所の、物語を、誰もがきっと胸に思う、抱える、暗さみたいなものが好きだった。かけているのかどうかはわからないけれど、自分が美しいと思うものを、とことん書きたいと思ったのでしょう。当時の私は。
月あかりと、あざだらけの少年と、カーディガンと、浴衣と、じめっとした汗くささと。
好きだったんでしょう。というか今こうして並べただけでも、今でも胸にぐっとくる(笑)。
毎回言っているのは書きたいテーマとかはあんまりなくて、こういうものが書きたい、から始まるので、正直「ひとなつ」なんかもテーマ性なんてないんですけどね、それでも書きたいものをぎゅうぎゅうに詰め込んである程度の形になってくれてよかったなと今更思う。
それに、どうしてこの作品が一番好きかというと、おそらく、私が無邪気に書いていた一番最後の作品だからかもしれない。迷いがない。好きだということに。
そりゃちっぽけな賞であっても、誰かに読んでもらって誰かに選んでもらったということはとても名誉なことで、ゆえに私は鼻高々でもあったししんどくもあった。こんな小さな賞でこんなにしんどいなんて、バカみたいだ、という、その気持ちすら私の枷になった。
あほみたいだなあと、今でもその枷につかまったままなんだけど、あと少しはこの枷をつけたまま踏ん張ってみたいと、落ちた先にある光を私も捕まえたいと。思う。
そんなこんなで、まあどうでもいい能書きでした。
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