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どこをみているの
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2013/08/12  薄明かりのミッドナイト
カズオは、顔の右半分、俺から見たら左半分が爛れていた。皮膚の病気なんだそうで、その青い目はぱちくりとしているのに、まなっちろい肌はボロボロになってまるでケロイドのようだった。
左半分、俺から見たら右半分はまるで映画に出てくるような、海外俳優のように端正な顔をしていて、こちらはその髪の毛と同じ金色の眉毛が凛々しくそこにあった。
口をきいたことは殆ど無い。名前を聞いたのも彼からではないし、噂では耳を少し患ってるとかいう話だ。
いつも屋敷の窓際で本を読みながら、たまのそよ風に顔を上げる。そのぐらいしか、俺には、カズオの情報はない。

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「僕にはね、特技はないからね」
口の端に赤い血を滲ませ、カズオは言った。少し呂律が回っていなかったが、難なく聞き取れる言葉だった。俺は、カズオが話したことよりも、彼の血が赤くて俺や公子と同じ人間なのだということに驚いた。どこか作り物のような彼の美しさと、どこか壊れ物のような彼の危うさが、俺には、到底人間のようには思えなかったからだ。
「……なぜ、そんな驚いた顔をするの? 僕が外国語でも話すと思ったかい? そりゃ残念、僕はなんにも話せやしないよ」
するするとこぼれる彼の言葉に、投げやりな意味を察し、俺は彼の足から飛んでいったズックを拾って差し出す。カズオは、俺の千切れた鼻緒を見つめていた。
「演技、悪いね」

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今考えている話だけれども、全然繋がらない。
BLはとても難しい。

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