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2015/02/08  マチルダのこと
マチルダは中学からの同級生で、名前は町田というのであだ名がマチルダという。
けれども、なんだかマチルダって言うのは彼の本当の名前のようにも思えるのだった。なぜならマチルダはハーフで(というと国際論だかの教授はダブルだといえという。ハーフというのは血が半分半分って意味でちゃんと混ざってるって意味じゃないっていう)、フルネームは町田トーマスと言って(本当はミドルネームがあるが長くて俺は覚えられない)、オヤジさんがフランスだったかイギリスだったかヨーロッパの生まれで、母さんは生粋の日本人だけれどもオヤジさんの血が濃くでたのか、マチルダは緑の瞳にそばかすつきの白い肌、透けた茶色の髪のを持って生まれてきた。だからマチルダっていう外国っぽいあだ名がついていても何にもおかしくない。中学の英語をサポートしてたアニーというアメリカ人の先生は、マチルダっていうのは女性につける名前だからちょっと変よ、なんて言ってて、だけど俺たちはマチルダはだったし、変なことなんかちっともなかった。たぶんそれは、俺が吉彦って名前だけど、吉子って呼ばれるのと同じような感じで、まあ俺みたいな男を吉子って呼ぶのは変だってことなんだろう。そりゃわかってても、マチルダの見た目はさておいて中身は生粋の日本人で、すごい汚い言葉ばっかり言うし、英語も全く話せなかったもんだから、ギャップがひどくて、本当なら学校中の王子様、なんていう風になってもおかしくなかったのに、中身を知ってる女たちからは随分嫌がられていたもんだった。
マチルダのオヤジさんはさすが外人だからか、町で一番の長身だった。その血を色濃く引いているマチルダも、高校二年のときにぐいぐい伸びて、学校で一番の身長とガタイの持ち主になった。マチルダはみるみるうちにその雰囲気を変えていき、いくら中身が汚くて英語もろくに話せないクソッタレだとわかっていても、色恋沙汰の好きな年代ということもあって、彼はようやっと学校一の王子様になったのだった。マチルダ自身は女たちにもてはやされるのを良く思っていないようだったが、いくら中学から見知っている女たちだとはいえ男たちは羨ましがったし、女たちはいくら中身が汚くてもマチルダの嘘みたいに煌びやかな見た目に夢中になった。

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本当は書きたかったのだけれど力尽きました。
BLです。

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