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2014/08/17 静謐のなれの果て
今日は一日予定もなかったので、図書館で本を読んでいた。のだけれど、二時過ぎた頃に高校生たちがばばばーっとやってきて私の座る席の周りに座り、ひそひそ話し出したり寝たりしたので興ざめだったので帰ってきた。汗臭かった。
中々長丁場でしたが、文学フリマで購入した「春を待つ青い花」という文庫本と、幻冬舎文庫の「女がそれを食べるとき」を読了しました。
以下、感想です。
◆「春を待つ青い花―帰ってきた青い花3」文芸集団 青い花Old Girls著
https://c.bunfree.net/p/bunfree18/1410
(文学フリマwebカタログより)/文庫判(A6)/200円
まず、何がすごいって装丁です。まんま、本当に、売り物みたいな(いや売り物なんだけど)装丁で、中身のフォントもとっても素敵です。大学時代の文芸サークルのOGさん方で作ったそうですが、とても素敵な装丁で、本当に、どこに持ち歩いても恥ずかしくない代物だなあと思います。
もちろん市販のブックカバーもぴったりです。紙質も素敵で、表紙は消しゴムハンコのイラスト?だそうです。
小説の内容は純文学で、短編集です。一話の長さは少し物足りないような、ちょうどいいような短さで、しかし、どれもすごく完成度が高い。読みやすく、難しくなく、すっと入ってきます。すごいな~と、どのお話を読んでいても感心しました。
個人的に好きだったのは芳野笙子さんの「かだりまのはなし」でした。
ちょっと不気味なんですが、民俗学的な怖さと温かさと寂しさが、雪国を舞台に丁寧にしんしんと描かれておりました。難しくない言葉で、普通ではないことを描く。素敵です。短いのに読みごたえがあってよかったです。
ただ、難点を言うと、短い、ということ。これは長所でもありますが短所でもあるのかな、と思いました。もう少し、話を膨らませてもいいのでは、と思ったり、ここで終わらせるほどはまだ話がまとまっていない、もしくは、収集がつかない状態ではない、と、なんとなく。
でも本当に素敵です。
青い花文庫はあと二冊購入しましたので(複数冊買うとお得な値段になったから!)、まだ楽しみがあります。
◆「女がそれを食べるとき」楊逸選・日本ペンクラブ編/幻冬舎文庫/648円
「あの人を思うと食べることを忘れる。彼が欲しい気持ちと同じくらい、食欲が止まらない。好きな人と共にする食事は、身体を重ねることに似ている――恋愛と食べることの間には、様々な関係がある。女性作家の描いた"食と恋"を巡る傑作小説を、芥川賞作家・楊逸が選出。甘美なため息がこぼれるほど美味なる9篇を味わえる、贅沢なアンソロジー」(amazonより)
著者は井上荒野、江國香織、岡本かの子、小池真理子、幸田文、河野多恵子、田辺聖子、山田詠美、よしもとばなな、の9名。
当たり前なんですが、女流作家のお話とはいえ全部雰囲気が違って話も全然違う。それが、かえって、新鮮でした、なぜだろう。
でも、私が書く話も、他の人と、いい意味でも悪い意味でも区別されていたら嬉しいなあとかはちょっと思います。で、まあ、それはいいとして。
「食べる」ということがテーマのアンソロジー。私は料理番組がとても好きなので、興味があって買ってみたものの、全然手を付けられなくて一か月ぐらいかかりながら読み終わりました。時間かかりすぎだぜ、俺。
ただ、色んなシーンが切り取れるものなんだなと思いました。食べる、がテーマでも。幸福の象徴だったり、不徳の象徴だったり、支配の象徴だったり。
難解だけど面白かったのは河野多恵子の「骨の肉」。男に支配される女の話、だと、私は思ったのだけれど、何度読みかえしてもまったくもって情景が想像できない!すごい。頭がすっかんぴんだからでしょうか。
ただ、男女が生牡蠣を食べるシーンがあって、男は身を食べるのに、女は男の食べ残しの貝柱を食べることに興奮している。餌付けのような、セックスのような、貝柱を食べてるだけなのにすごくみだらでいやらしいなあ、と思いました。
あとは山田詠美の「間食」。やっぱりこの人は軽くて絶妙なタッチの筆を持っていますよね。「風味絶佳」の中の一編らしいので、今度買ってみよう。
***
久しぶりに上質な小説に触れることができました。
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