どこをみているの
2025/02/13 [PR]
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2011/05/01 かなちゃん
久しぶりにあったかなちゃんは相変わらずで、不貞腐れてあたしをみた。
なんかいやなことあったの、って社交辞令っぽく尋ねて見たけど彼は別に、と言ったきり、押し黙った。
たぶんいつもそんな態度しているわけじゃないってこともわかってるけどそれはそれでどうなの。
かなちゃんとあたしは申し訳程度に手をつないで歩き始める。
髪の毛切ったんだね、とかなちゃんが言うのであたしは小さくうなずいた。
おととい切ったけど、誰も気付いてくれなかったのに、やっぱりかなちゃんは気付いてくれる。
むっとしたまま言うのに、なのに、やっぱり嬉しい。
かなちゃんは髪切らないの、と尋ねたら俺は長い方が似合うんだ、と言って頭を振った。
今だって大して髪が長いわけでもないし、本当は髪の毛が短いほうが好きなくせに。
つめ、青いな。
昨日ぬったの。
お前そゆこと、たまにするよね。
あんまかわいくないよね。
じゃあなんでぬったの。
かなちゃんは呆れたみたいにため息ついて、外をむいた。
適当にあるいて見つけた喫茶店に入ったら客があたしとかなちゃんしかいなくて二人の会話がみょうに響くみたいで、あたしたちは自然と声を落として話す。
いつもあたしがかなちゃんに呆れてばっかりだけど、たまりかなちゃんがあたしに呆れるのが、好きだ。
かなちゃんの、あたしをバカにしたみたいな顔が好き。たぶん、そこが、好き。
かなちゃんの頼んだイチゴパフェが運ばれてきても、それを食べていてもかなちゃんはおいしくなさそうにしている。
眉間に皺が寄ってもっさもっさ食べてる。一口ちょうだい、といっても無言でスプーンを差し出してくるだけ。
好きでしょ?って尋ねるとうん、と言うのに、全然おいしくなさそうだ。
かなちゃん、顔ひどいよ。
なにが。
表情。
しらん。
喫茶店をでてあたしたちはまた申し訳程度に手をつないで歩きだす。
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