どこをみているの
2025/02/08 [PR]
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2011/11/08 あめときみとぼく
雨ふってる。
夜中、かなちゃんは起き上がって窓の方をむいた。あたしは眠いので目を瞑ったまま彼の様子をうかがっている。
といって何をするわけでもなく、彼は黙って窓の外に思いを馳せているだけらしい。
ぱらぱらと雨粒が散っていく音だったり、ごつんと水の固まりがあたって砕ける音もする。
すぐに眠ってしまうと思ったのにあたしの頭はどんどんさえていく。たぶん隣でかなちゃんが半身を起こしているせいで布団がはだけて肩が冷えるからだ。
でもかなちゃんがまだ布団に入る気配はない。
かなちゃん、寝なよ
ん
かなちゃん、寒いよ
ん
かなちゃんてば
返事がなくなる。
あたしは渋々起き上がってかなちゃんの肩に触れた。彼の体もまた冷えている。
後ろから顔を覗き込むと、珍しくむっつりてはしていなくて柔和な無表情をしていた。
かなちゃん、と耳元にキスしながら呼ぶと目線をゆっくりこちらに向ける。
さびしいんでしょう
んなことねえ
いじっぱりなんだからさあ
んなことねえって
雨、強くなってるね
ああ
明日、仕事休もっかなあ、かなちゃんせっかくおやすみだもんね
好きにしろよ
かなちゃんの首に腕を回すとかなちゃんもゆっくりあたしの腕に手を回した。掌はあたたかくて、眠いんだろうなと思う。
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