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どこをみているの
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2011/12/21  GOD bless U
まがいものみたいなひとみからおちた
おはじきみたいななみだ
しょっぱいからちかづくんじゃないよ
きみはそういって、ぼくはあのこにふれられなかった

さげすみおとしめ、ねたみそねみ、
そうしてぼくらがいきてることをきみはしらない、しってはいきられない

だれかがかいだんをのぼるおとがへやじゅうにひびいた
なかないで、なんてことばはつっかえずにはいえなかった
しずかにあるいて、おねがい

きみやあのこが
なんべんもみみをふさいでふるえても
なんべんもくちをつぐんではきだしても
きっとだれもわかってくれないだろうこと
しあわせをいのるのはかみだけということ
ぼくにはとうてい、おろかなことばにしかきこえないこと

どうかゆるしてほしい
さあ、おきて、
しずかなあさもやをあいしにいこうか

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2011/12/12  白空
あたしは泣きそうだった
何がどうということもなく泣きそうだった
そう、たとえば何でもない日常の中で、
空気の匂いがかわる季節や、木々の枝が細くなる様や、寄り添う飼い主と犬や
そういうものらはいつもあたしを悲しくさせる

イヤホンからあふれ出るばかげた愛の歌なんかを聞きながら
あたしはただ惚けたアヒルのように口を半開きにして。

白くけぶるように見える冬の空はわずかに青く色づいているのに、どこか柔らかい。
国道添いをふと振り返るとオレンジ色の太陽が木立の後ろに隠れようとしていた。
まるで巨大な影絵がそこにあるようであたしは立ち止まった。

数年前、いつだろう、とにかく何年か前の同じころにあたしはここにいて
隣には彼がいて、手をつないでこの景色を見ていた気がするのに、
いまやっと思い出して、それすら曖昧でどうしようもなく、記憶など記憶できないようになっていたらあたしはきっとこんなにも泣きたい気持ちにはならないのに。

あたしは一度大きく鼻をすすった。
ガソリンスタンドの店員がこっちをちらと見て、また仕事に戻っていた。

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2011/12/05  (no subject)
右から三番目
痛むのは君に殴られた歯

ぐらぐらしていたいんだ
ぐらぐらしていたいんだ
きみに会いたくてぼくの心はぐらぐらしていたいんだ

ねえ、あいしてくれないか
今日は夜がとても静かでとても冷たくて
とても、とても
君に抱かれたい夜だから

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2011/12/03  100分
手首から香るオードトワレが鼻を擽るので

気付いたら後ろに三人の若い男たち
君たちどこいくの?
雨上がりの道は歩きづらい

苔とカビの生えたコンクリの階段は
誰かに上ってもらえば満足なのか
誰も教えてはくれなかった

タイルの不自然な点字ブロック
ヒールが引っ掛かるからやめてくれないかな
爪先から浸水

ほら、曇り空の100分

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2011/12/01  十五歳
私がまだ十五歳だった頃
私がまだ若かりし頃
私が何もかもを知っていた頃
私が何もかもを知らなかった頃

私の目にはまだ世界は美しく輝いてもいなかったが
世界は醜く霞んでもいなかった
ただ素直な世界はそこにあって私の若い目にはありのままに映っていたのに

十五の脈が聞こえない
十五の涙は流れない

私は化粧を覚え媚を覚えた
私は酒を知り大人の自分を知った
世界は美しくなければならないと思い、醜いものは排除した
何かを愛さねばならぬと信じ、愛するふりをしていた
私の生きた証を遺すことに必死になったが
私は何もかもを知らないままだった

十五の脈が聞こえない
十五の涙は流れない

そんなものは何もなかった
無くすものを段取りを決めて
無くす準備をせっせとしていた
無くすのではなく手放すことに躊躇もなく

ああどうか死に際の
私のいのちは十五でありますように

十五歳の私のあたたかくすべらかな肌でありますように
何もしらぬ美しさを

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