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どこをみているの
2026/06/19  [PR]
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2012/01/04  反逆の神
冷えきった床に辷る足
皮膚の感覚はない
ただ歩いてきた何億光年もの記憶を頼りに

どうか今夜だけでも貴方が静かに眠れるように
静謐な文字を指先で連ねる
勿論救いなどなにもない

砂漠を満たす群青の風
気高き神の手のひらが届く
幻覚でも妄想でもない砂塵の夢

どうか貴方がその一瞬
美しい瑠璃色の瞳を輝かせますよう
美しい東雲色の肌を潤ませますよう
連ねる物語

床が暖まるころに眠る反逆の神
物語の続きは遥か彼方のその先に
美しい文字、美しい世界

どうか壊せよ反逆の神

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2011/12/31  カウントダウン
ビスケットくずを数えてカウントダウン
さあ始めて、もう一つの夜明けがくるまで
クロゼットの開けしめは静かにお願い
冬物コートが溢れちゃうから

アン、ドゥー、トロワ

いつのまにかくずが星に変わる
ツケまつげの翅で飛べるはずだから、廊下は静かにあるいて
白檀の薫りが散らないように

ハナ、ドゥル、セ、

見えない目隠し夜空のビロード
さあ迎えて透明の朝
見え透いた嘘や偽善は必要ないから
ぼくらみんなつつまれる

365日の赤ん坊

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2011/12/30  このまま二人で
「好きです」

信楽さんは、小さく呟いた。
一瞬なんのことかわからないまま彼を見ると、彼もまたこちらを見ていた。

「江野さんのこと、好きです」
「…、」
「こっちの人でしょう。でもだからって好きなわけじゃない、ですけど」

彼の瞳は驚くほど澄んでいて、実家で飼っているハルを思い出した。
立派に成長したハルは、犬に言うのはおかしいかもしれないが精悍な顔つきをしている。
でもその瞳は、うちにきたころと変わらないあどけなさをも残していた。
信楽さんの瞳は、それに似ていた。
何も言えないまま突っ立っているとホームに電車が滑り込んでくる。
僕らと同じようにたっていた、ホームにいるまばらな人影が電車に寄っていく。
信楽さんは小さく頷いた。

「じゃあ、また」
「信楽さん」
「じゃあ」

終電を逃すことはできないので、乗り込むがどうしていいのかわからなかった。
足を踏み入れてすぐに振り向くと、もうそこに彼の姿はなかった。
向かいのホームに行くために階段を降りていったのだろう。ドアが閉まる。
ふらふらしながら座席に座った。頼りない冷房が頭の上から降ってくる。中途半端な温度だった。

薄々思っていたけれどやっぱり信楽さんもそうだったのかという納得と、彼が放った僕を好きという言葉に対する戸惑いが、じわじわ沸き上がってくる。
鈍行は、夜の中をゆるりゆるりと進んで行く。考える時間はたくさんある。

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2011/12/29  セピア
目に映る景色はまるで映写機で再生する8ミリフィルムのようだった。
だれもがどこかを見つめて揺られる電車の中、僕もだれかと同じようにぼんやり窓の外を見つめていた。
窓の外は暗闇が広がっていて、たまに車のライトや民家の明かり、鉄塔の先端で点滅するランプなんかも見てとれる。
思い出したように浮かぶ白、赤、橙の明かりは、寂しい闇に彩りをそえていった。
ただ、面積の大半を暗闇が占めるので窓は鏡のようになって僕の間抜け顔を映していた。

「江野さん」

信楽さんは、いつもしない真面目な顔をしてみせた。僕が電車に乗り込む少し前だ。
お酒は弱いと言っていた彼はあまり飲んでいなかったのに頬は赤くなっていた。イズミは顔に出ない人だったし、強かったので正反対だと思う。
秋口の涼やかな風に吹かれて、

―――

書けそうで書けなかった。

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2011/12/26  古ぼけたゆめの
古ぼけたゆめの
続きを今も
みていた朝は
プラチナの露が
静かにおりて
誰かを愛す
無意味さを知り

彼女の囀り
僕のわがまま
相容れないから
ダストボックス
溢れてしまう
涙とともに
過去を探れば
聞きなれた音楽
日曜の賛美歌

私が得られぬ
誰かの愛を
あの子が持ってる
月夜の晩に
静かに盗み
バラバラに蒔く
そしてさよなら

わからないなら
わからなくていい
中途半端な
優しさよりも
卑猥な指先
もてあそんでよ

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